「沖縄に行こうとおもっていたんですけどね、彼の休みが決まらなくて、沖縄がいっぱいになって、でも、どうしても海に行きたくて、ネットで探してたら、大島ってよくない?ってなんたんです。来てみたら、私達にとっては、大島のほうがずっとよかったって。なんせ、なんとも言えないんです。島の人たちの人情が」と若い美しいお嬢さんがいう。

 

「聴いてくださいよ。海に潜ろうとおもったんだけど、僕ら、準備悪くてとりあえず島にきたでしょ。波浮港の近くでなんか、スーパーみたいな所に入ったらね、眼鏡もシュノーケルも売ってないんすよ。そしたらね、店の人が、娘のがあるから、かしちゃるって。もう、なきそうっすよ。そしてね、お嬢さんの一つしかないからって、今度は友達のうちに電話して、眼鏡あるかって。結局見つけ出して、貸してくれたんすよ。どうおもいます?ヤバいですよこの島の人たち」日焼けした爽やかな青年がいう。

 

そして、どれだけ島の人に優しくしてもらったか自慢大会がはじまり、あっという間に何時間も一緒にのんだ。

 

 

 

伊豆大島、元町港の畔にある人気の店「なんとうかん」に、伊豆大島グローバルネイチャークラブの西谷香奈さんに連れて行っていただいた。彼女を旅の連れにご紹介したかったから。
西谷さんは「素朴で、美味しくて、杉山さんきっと気に入ってくれるとおもうんです」と私達に合うように考え抜いてくれた。人気のお店なので何時も混んでいるようだ。「相席でもいいですか?」西谷さんは僕らより先に店に走って行って、相席を確保してくれていた。小上がりの丸太を割った座卓の角に、若い爽やかなカップルが 、僕らの場所をあけるべく、出来るだけ小さくすわってくれている。

 

 

後から来た客に気を使うカップルを見て、なんかいいなあと思っていた。店のビールはアサヒとキリンがあって、僕がキリンを頼むと「やっぱキリンっすよねえ。彼女、アサヒって言うんですよ」と青年がいう。「そうだなあ、ビール好きはアサヒじゃないなあ」とかなんとか僕が応える。

 

会話がはじまり、お互いの酒を酌み交わしながら、神津島の「盛若」を一本空けてしまう。最後は、白岩の露天風呂で、昔から友達だったみたいに星空を眺めた。食った魚?どれも旨かったっすよ。「なんとうかん」に行ったら、間違えなく旨いから。で、結局連が、皆の分ごちそうしてくれた。あとで訊いたら、一人2,000円だって、安すぎね? 

 

 

翌日「東京でも飲みましょう」 とメッセージが、フロントに残されていた。「杉山様がたが、お出になられたあとだったので、お会いになれず、とても残念がられていらっしゃいました」とホテル白岩のフロントのおじさん。もう、そこで、僕は泣きそうになって、メモを握りしめて、最終日の仕事にでかける。

 

島から麻布に戻って連絡を入れると、夜中の一時過ぎに、仕事を終えたというメール。どんだけ、忙しい中、休暇をつくって大島にいったんだろう。どれだけ大切な休暇だったんだろう。そのうえ、その忙しさを縫って、また一緒に飲もうって言ってくれるのは、僕はどれだけ幸せなんだろう。西谷さん、いいお店ありがとうございます。

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